理学療法士→青年海外協力隊→日本で臨床をしながら緊急援助について学ぶ(現在)→大学院?→国際協力をライフワークに
2011年3月11日より発生しました東日本大震災において、犠牲になられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げます。 また被災された方々に対しましては、お見舞い申し上げるとともに、一日でも早くの復興を応援・支援させていただきます。
2016年4月16日より発生しております熊本地震において、亡くなられた方に心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。

<祝>当ブログの読者Y.Kさんが青年海外協力隊(24-1 モンゴル)に合格した、という非常に嬉しい知らせを受けました。おめでとうございます。
<祝>当ブログの読者で青年海外協力隊を目指すMIDORIさんが理学療法士国家試験に合格した、というおめでたい知らせを受けました。もう同じ臨床家です。お互い頑張りましょう。
<祝>当ブログの読者KENJIさんが青年海外協力隊(25-2 タイ)に合格した、というまたまた嬉しい知らせを受けました。おめでとうございます。
<祝>募集説明会で体験談をお話させて頂いた方2名も青年海外協力隊(モザンビーク、ベトナム)に合格したと再会時に報告がありました。おめでとうございます。
<祝>2013年JOCVリハネットセミナーで私の活動報告を聞いてくださったA.Kさんも青年海外協力隊に合格されました。おめでとうございます。
<祝>国際緊急援助隊に当ブログを見て興味を持って頂いたOTさん、青年海外協力隊説明会でお会いしていたOTさん、フェイスブックで私を見つけて質問して頂いたPTさんが仲間入りしました。みなさん青年海外協力隊経験者でした。

青年海外協力隊  体験談&説明会
  *当ブログの作者(ドミニカ共和国、理学療法士)は今回の春募集では体験談を話に行くことができませんが、興味をお持ちの方はぜひお越しください。私に質問がある場合は、関連する記事のコメント欄に質問いただければ、回答いたします。

国際緊急援助隊(JDR)医療チームへの参加に関心のある方へ
  *JDR医療チームはWHO EMT InitiativeのType2認証を受けており、リハビリテーションの提供が求められるチームとなっています。理学療法士・作業療法士で関心のある方、仲間が増えるとうれしく思います。

2018年12月18日火曜日

【WCPT News】2019/12/4 注意喚起 学会参加時の宿泊施設手配について

WCPTは、我々と宿泊に関して提携していると謳い、学会参加者に近づいてきた業者の存在を確認しています。

Business Travel Management (BTM)という会社には注意を願います。この会社はWCPTとは関係なく、学会参加者のための割引などで提携している事実はありません。しかし、参加者にメールや電話でホテルの予約を勧めてきます。電話は固定電話や携帯電話、さらには職場にかけてくる事例も確認されています。もしホテルの予約が必要だと伝えると入力フォームが送られてきますが、決してそこに個人情報を入力して送らないで下さい。

2019年ジュネーブ大会の公式ホテル予約サービスは、特別料金を謳って参加者にメールや電話をすることはありません。そのような電話やメールが来ても決して契約をしないでください。

公式ホテル予約サービスはK.I.Tグループが行っており最初に40スイスフランを預り金として徴収されますが、ホテル料金は預り金を差し引いた残額が2019年2月4日に請求されます。

ご不明な点があれば下記まで問合せ下さい。
wcpt2019@kit-group.org

2018年11月8日木曜日

【WCPT News】2018/10/24 NCD対策 国連加盟国へ具体的目標を持つようWCPTが勧告

WCPTは世界医療従事者同盟(WHPA)の一員として、国連加盟国に対して非伝染性疾患に関する明確な数値目標を持つように勧告しました。

非伝染性疾患(NCD)は公衆衛生における大きな課題です。心血管疾患、糖尿病、悪性腫瘍、慢性呼吸器疾患は4大NCDと言われます。しかし、これらの疾患には様々な随伴症状があります。例を挙げると、腎臓、内分泌、神経、血液、消化器、肝臓、筋骨格、皮膚、口腔の病気です。また遺伝性疾患や、精神疾患、薬物依存もあります。他にも目や耳が不自由なることによる不利や、暴力、怪我などを被ることがあります。NCDによる社会的不利やリスク因子は共通していることから、統合的にアプローチすれば、保健システムや経済への負担を減らすことができるでしょう。

ニューヨークで開かれた国連のNCDに関するハイレベル会議では、加盟国が政策宣言を採択しました。この宣言では保健システムの強化と医療従事者の質の向上が重要性だと強調されています。しかしWCPTは各国が目標なく取り組むことや、指標を持たないことなどを心配しています。

WCPTのJonathon Kruger CEOは「保健医療のプロフェッショナルとして理学療法士はNCDの患者に直に接します。運動不足が及ぼす悪い影響をよく知っています。NCDは世界の資源の乏しい国の医療制度に経済的負担を強います。

WCPTは国連加盟国の取り組みに今後期待し、人材や機材が強化され医療制度が発展することを願っています。」と述べています。

世界医療従事者同盟(WHPA)は世界130か国3100万人の看護師、薬剤師、理学療法士、歯科医師、医師の代弁者です。WHPAは全人類の健康を守るため、医療サービスの質の向上や、各組織間の協力体制の構築を行います。

2018年10月31日水曜日

世界理学療法士連盟(WCPT)のメンバー組織に新入/退会

WCPT Newsによると、9月にエジプトとセルビアの理学療法協会が退会となります。理由はWCPTが求めるメンバー組織の義務を果たせていないから、とのことです。


以下にメンバー組織の権利と義務を示します。

********************

●メンバー組織の権利

・WCPT規則に則ってWCPT事業に参加できる
・委員会や総会で意見を出し施策に携わることができる
・ 総会で提案、発言、投票ができる
・自国の理学療法発展のための事業に対し支援を要請できる
・総会に参加できない場合は代理投票ができる。ただし、二回の内一回は総会に参加しなければいけないと言う要件には数えない。
・サブグループに入ることができる
・WCPT基金から支援の申請ができる

●メンバー組織の義務

・WCPT規則を遵守する
・規則に則って会費を支払う。2017年は組織の会員数×1.53ポンド。
・定例総会に二回に一回は参加し投票をしなければいけない
・会の規約などに変更があった場合は6ヶ月以内に全ての変更箇所のコピーをWCPTに送らなければならない
・WCPTの窓口となる委員のメンバーの氏名と住所を知らせなければならない
・WCPTに関連のある国内イベントや取り組みがあった場合はWCPTにそれを知らせること
・その他、求められればレポートを提出すること
・WCPTの活動や取り組みに協力すること

********************

また2019年5月の総会で承認されると、新たにコートジボワール、マリ、セネガル、モロッコ、ハイチの理学療法協会がメンバー組織に加わります。


ちなみに日本は1970年にメンバー組織になりました。メンバー組織は上記の通り会員一人につき1.53ポンドを支払っています。これは日本のPTのほとんどが知らないことでしょう。日本理学療法士協会に入ると自動的に年会費の中からWCPTにお金が流れています。

少額ですが会費を払っているメンバーとして、やはりWCPTの活動にはアンテナを張っておくべきかなと思います。ニュースを読んだり、ガイドラインを確認したりして国際標準にそって(国内法令を遵守して)仕事をしていかなければと思います。そうすることで、例えば災害時などで他国のPTと共に活動する時に同じスタンダードで話ができます。

また日本では「日本理学療法の日」があり関連イベントが各地で行われていますが、「世界理学療法の日」に合わせたイベントは全く聞いたことがありません。世界一PT人口が多い日本が、世界一WCPTの活動に無関心なのかもしれません。言葉の壁なのでしょうが、いつか自動翻訳などが発展して、日本もWCPTと足並みを揃えて活動できるようになってほしいです。

2018年10月17日水曜日

【WCPT News】2018/10/12 ハリケーンマリアによる被害から一年 プエルトリコ

2017年10月にプエルトリコを襲ったハリケーンマリアはプエルトリコの歴史上最も酷い被害をもたらしました。

ハリケーンマリアによる死者は4600人以上と報告されています。幼い子供と高齢者への被害が目立ち、また生命維持装置の使用者や透析患者の多くも死亡しました。レスキュー隊による捜索もむなしく行方不明者もいて、家屋ごと洪水で流され生き埋めになった可能性もあります。

電話回線は寸断され、インターネットも使えない状況が5ヶ月以上続きました。これにより理学療法士の活動も制限され、十分な支援が困難になりました。

プエルトリコ理学療法士協会の会長Marizabel La Puerta氏は「電話やインターネットが使えるようになったのはハリケーンから11ヶ月後でした。通信会社からの一時的な回線接続を利用しています。これにより書類の提出などは期限に間に合いません。

理学療法士は徐々に臨床に戻り、それぞれの地域の医療サービスの復旧を手助けしています。いくつかの診療所などでは停電により休業を余儀なくされていますが、発電機を使用し診療時間を短縮するなどして対応している所もあります。アメリカ合衆国に移転した理学療法士もいます。

私たちは復興に向け全力で働いています。毎年開催している学術大会は今年も11月に、被害がなかったイスラベルデ国際ホテルで行われます。また2019年のWCPTジュネーブ大会参加のためのファンドレイジングも行っています。プエルトリコ代表として参加することを目標に、二人の代表を送りたいと思っています。」と述べています。

2018年10月13日土曜日

【WCPT News】2018/10/12 大学に理学療法学部専用校舎を ネパール

ネパールの理学療法士たちが、カトマンズ大学理学療法学部の専用校舎を建設するための要望を出しました。
 
カトマンズ大学はネパールで唯一の理学療法学部を有します。ネパールの理学療法士はまだまだ不十分なサービスの提供や教育、臨床能力の向上に日々懸命に取り組んでいます。2015年に起きた大震災で、理学療法のニーズは増し、求められる質も高くなりました。
 
ネパール理学療法協会のNischal Ratna Shakya会長は次のように述べています。「技術や専門性の高い教育を行うことで、地域に健康をもたらす真の変革が訪れるでしょう。ネパールの人々は辛いときでも表情に表さないような性格がありますが、健康な生活やより良い人生を送るためには理学療法が必要な人もいます。しかし、それに対応できる十分な理学療法士がいないのが現状です。
 
我々は目標として272万6000米ドルの資金を集め、専用校舎を建て、助けが必要な人に理学療法を提供できるようにしたいと考えています。
 
我々は質の高い理学療法を人々に提供すると同時に、未来のネパールの健康に寄与する立派な理学療法士を育成するため、努力を惜しみません。」
 
支援を募っています。
 
 銀行の詳細:
Account name(口座名): DHULIKHEL HOSPITAL
Account number(口座番号): 006-0000000301
Bank name(銀行名): NCC BANK (NEPAL CREDIT AND COMMERCE BANK LTD.)
Branch(支店): BANEPA
Bank address(銀行住所): BANEPA, KAVRE
Swift code: NBOCNPKA
Country(国): NEPAL

2018年8月24日金曜日

ロゼッタストーン:中国語レベル1 進行中

最近、忙しくて手つかずだった中国語も、暇を見つけて勉強しようと思っていますが、それにはロゼッタストーンを利用しています。ロゼッタストーン中国語、購入の経緯はこちら

 様々な語学教材があるなかで、今まで使ったのは、下記のサービスです。どれも独自にいろいろ工夫を凝らして作られているので、比較して甲乙つけるのは難しいです。私はどれも気に入って使用しています。

  • ロゼッタストーン:スペイン語、中国語
  • ロケットランゲージ:フランス語
  • NHK語学講座:英語、スペイン語、フランス語
  • DMM英会話:英語
  • カフェトーク:英語、スペイン語

また、今後使用したいと思っている教材は、

  • Coffee Break:スペイン語
  • NHK語学講座:中国語
で、スペイン語と中国語を深めたいと思っています。それとともに過去に使用した教材をやり直すことも考えています。さらに欲を出せば、アラビア語を勉強したい、と思っていて、勉強方法を模索中です。

 さて、本題のロゼッタストーン:中国語(マンダリン)ですが、購入して始めたのは1年以上前。1週間ほど勉強して、その後時間がなくほったらかしになっていました。それを今日、久しぶりに再開してみました。語学は継続が大事! なので、1年以上も中国語に触れていなかったのだから、ほとんど忘れているだろうと思いながら、ロゼッタストーンを起動させました。

 起動すると前回の続きから再開されます。取りあえず、どれだけ忘れているか試しに続きから始めてみることにしました。ボロボロなら最初からやり直そうという気持ちでした。すると最初はボロボロでしたが、30分もしないうちに思い出してきて、答えることができるようになってきました。

 これは、ロゼッタストーンの学習法が、耳と目で覚えるもので、きっと耳と目に繰り返しインプットされたものが残っていたのだと思います。理論的に暗記するような方法だったら完全に忘れてしまっていただろうと思います。ロゼッタストーンの凄さを実感した瞬間でした。

 ただ、ロゼッタストーンで勉強中、いつもなぜか強い睡魔に襲われます。今、この記事を書いているのも、眠すぎて勉強にならなかったので、気分転換で書いています。なぜ、こんなに眠くなるのか? 耳と目をフルに活用して勉強するスタイルは、脳への負荷が大きいのでしょうか。また、コツコツとやっていきたいと思います。

2018年8月21日火曜日

【WCPT News】2018/8/15 追悼 Brian Davey氏

Brian Davey氏の訃報が届きました。Davey氏は1982年から88年の間、WCPT西太平洋地区の執行委員を務め、その後1988年から91年はWCPTの会長を歴任しました。

Davey氏はニュージーランドのDunedinで理学療法士を目指し勉学に励み、1961年に卒業しました。1975年にはオーストラリア理学療法協会(APA)に入会し、1979~80年はニューサウスウェールズ州支部の支部長を務めました。1980~81年にはAPA会長に就任しています。1992年、理学療法発展に寄与したとしてオーストラリアで勲章を受けています。

1995年から99年にWCPT会長を務めたDavid Teager氏は「Brianは行動力があり、力強いリーダーシップを発揮する人でした。彼の歯に衣を着せないスタイルも、彼のユーモアのセンスで受け入れてもらいやすく、それによりWCPTのガバナンスや活動に影響を与えてきました。

1991年のWCPTロンドン大会の際に行われたレセプションにフィリップ王配を個人的にお連れし、フィリップ王配が世界各国から集まった参加者に彼を紹介したのを覚えています。

BrianとJoyceは心温かなホストでした。彼は自分の家族がいかに自分をサポートしてくれていたか、よく語っていました。私たちは彼らの死を受けて、昔のことを懐かしく思い出しました。」と述べています。

WCPTのMarilyn Moffat元会長(2007~15年)は「Brianは長年、国内外で理学療法に関して大きな影響力を持っていました。彼の死が惜しまれます。彼はラグビー選手をしていた時に一人の開業医との出会い、そこから彼の理学療法人生は始まりました。Dunedinで養成課程に入り、その先は全てが歴史となっていきました。

初めての職場となった病院で研鑽していた時、BrianはRobyn McKenzie氏と出会い、一緒に働こうと声をかけました。Brianもそうしようと動いていた所、Robynは彼に開業を勧め、実際に開業をしました。McKenzieとMulliganとの交流は続き、夜の勉強会にともに参加していると、CyriaxやParisとも知り合うことになりました。Parisは偶然にも、Brianが一年生のときの三年生でした。また他の当時の徒手療法をリードしていく仲間とも出会いました。彼は少しずつシドニーでの臨床を減らしていき、オーストラリアでの理学療法政策へ関わることになりました。その経験からオーストラリア理学療法協会の会長への昇進しました。当時、初めての政治との繋がりを持つ理学療法士となりました。

そこから、1988年に彼はWCPTの会長となり、資源が乏しい国や政策が不十分な国への支援が重要であることを認識し、その20年も後に、私が最も力を注いだ仕事となりました。また、近隣のより大きな組織が、小さな組織を支援する方法についてもBrianは当時から構想を持っていました。会長時代にはアフリカでの影響力も大きかったのがBrianです。」と語りました。

理学療法業界はそんな素晴らしい彼を失ったことを悲しく思います。

【書籍】 社会の障害をみつけよう 一人ひとりが主役の障害平等研修

 以前、このブログでも障害平等研修(DET)について取り上げました(こちらをクリック→http://lily-international-cooperation.blogspot.com/2015/04/det.html?m=1)  。この障害平等研修をJICAや自身が代表を勤めるNGOで実施している久野研二さんの新しい書籍が発刊されましたので、さっそく購入しました。

『 社会の障害をみつけよう 一人ひとりが主役の障害平等研修』
現代書館 出版、久野研二 編著、2018/7/5 第1版


 私が名古屋でDETの紹介講座を受けた時にも体験しましたが、障害とは何か、という問題提起が最初にあります。

「障害とは○○」

 私は、障害を考える時、筋力低下や関節可動域制限などの機能障害(impairment)に注目し、それをいかに改善するかを自分の仕事としてきました。患者自身の問題点を解決しようとする「障害の個人モデル」の考え方です。今はあまり使われなくなっているICIDHの考え方です。病院で働いているだけならそれでもいいと思っていましたが、一人の人間としては不十分です。

 全ての人は、自分自身が知らず知らずの間に障害者を排除したり、参加を制約したり、差別したりして不平等に扱ってしまっている社会に対して、目を向ける必要があります。そして、その社会をどのようにして改善すればいいか、考え、行動する必要があります。「障害の社会モデル」と言われる視点です。障害者を変えるのではなく、社会を変えるのです。ICIDHが抜本的に改定されたのも、その視点を得た結果で、ICIDH第2版ではなくICFと名前まで変わりました。

 障害者を変えなければとimpairmentの治療に力を入れることは、障害者が望めば行うべきです。しかし、障害があっても平等に差別なく暮らせる社会を作ることも必要です。前者はPT/OTが専門とするところですが、後者は誰でも行動に移せます。誰もがするべきこととも言えると思います。

 DETは発見型学習です。ですので、今回紹介した書籍は、DETを受講してから読む方がいいのかと思います。先に読んでしまうと、自分で発見せずに、本から受動的に学ぶことになってしまいます。

『人は自分で問題点を発見して、
解決策を考えることで初めて行動する』

 この研修を通して、そしてこの書籍を読んで、障害の考え方が変わりました。今までICFを考える時、「なぜICIDHではダメなのか。ICIDHで十分ではないか」と思っていましたが、そもそもの「障害」という言葉の捉え方、視点が違うため議論が噛み合わないテーマなのだと気づきました。

 企業の新人教育にDETを採用している所もあります。病院で働く私の意見としては、BLSのような使用頻度のほとんどない研修よりもDETの方がよほど重要ではないかと思います。(BLSが不要という意味ではありません)

 DETを通して、自分が常識だと考えていることを批判的に見直して、新たな価値観を得る経験は、安定を求めがちな日本人的思考には非常に刺激的だと思います。久野さんも指摘しているように「日本人は講師と違う考えを持っている自分に不安を抱き、既存の枠組みの中で物事を考える」傾向があり、私自身も当てはまります。

 例えば、ICIDHの枠組みから抜け出せなかったり、1つの治療技術に固執していたりしていました。そこから抜け出すには「混乱」を伴いましたし、今でもまだ混乱している自分がいます。しかし、この混乱は「考え続けていること」であると久野さんは述べており、DETではそのような状態になることが成功と言います。

 思考停止してしまうと発展はしません。また一方的な関係から新たな考えも生まれません。新しい考えを排除するのは自分の枠組みの中でしか思考できていない証拠なので、「良い・悪い、正しい・間違っている」という表現は使いません。…など、様々な工夫がDETにはされており、そのためにファシリテーターは訓練されています。

 社会の障害を考える研修にとどまらず、いろいろ他にも考えさせられる内容で、このblogの読者の皆様にはぜひお薦めしたい書籍となっています。

2018年8月13日月曜日

【WCPT News】2018/7/19 LGBT+関連イベントに理学療法士参加

ロンドンで7月7日、英国公認理学療法士協会(CSP)のLGBT+ネットワークに入っている理学療法士が、定例のパレードを行い、注目を浴びました。パレードはLGBT+の誇りを祝い、LGBT+に関わる問題を世間に認知してもらうために行われました。

Darren Brown理学療法士は「2018ロンドンパレードに参加することで、理学療法業界での多様性をアピールすることができます。LGBT+の仲間はこれからも社会からの抑圧や差別と、国境を越えても闘い続けます。そのためにLGBT+の理学療法士やその関係者はパレードのような注目を集めるイベントに参加し、理学療法士としての専門性とLGBT+としての権利を可視化してきました。2018ロンドンパレードは最も多様性に富んだ、楽しい行進やダンスでした。私は来年も参加したいと思っていますし、他のもっと多くのLGBT+の仲間にも参加して欲しいと考えています。」と述べました。

CSPのLGBT+ネットワークは25年前に立ち上がり、LGBT+の理学療法士がお互いに助け合い、一致団結して職場での問題に対処していました。LGBT+ネットワークはCSPの政策・方針にも影響を与えて、戦略的に問題に取り組んできました。

CSPの代表Karen Middleton氏は「LGBT+ネットワークは活気に満ちて成長してきています。私にとって目に見える形でLGBT+ネットワークのサポートをすることは非常に重要で、パレードに参加したのもそのためでしたが、私自身、素敵な時間を過ごせました。」と語りました。

スウェーデンでは5年前から毎年ストックホルムで行われるパレードに理学療法士が参加しています。今年も8月4日にパレードが行われる予定です。(写真は2016年のもの)

2018年7月20日金曜日

JDR(国際緊急援助隊)医療チーム 中級研修 2

7/16(海の日)、JICA市ヶ谷で国際緊急援助隊(JDR)医療チームの中級研修がありました。この中級研修は、私がJDR医療チームに登録されてから2回目の参加になります。(1回目の中級研修に関する記事はこちら)
 
前回はちょうど1年前で、その時はまだタイプ2として認証されて間もなく、「これから」と言う感じでした。しかし、今回はかなり具体的な話もあり、さらに今後もブラッシュアップしていきそうで、そのエネルギーに圧倒されてきました。
 
以下、中級研修を受けての私見を述べます。中級研修の内容とは異なりますのでご了承ください。
 
私は理学療法士ですので、登録は医療調整員となりますが、タイプ2となりリハビリテーション機能が必須となったため、理学療法士としての働きも求められます。WHOが発行したEMTにおけるリハビリテーション能力に関する冊子を翻訳しているのですが、その中で携行資材について書いている章があります。そこには、
 
・車椅子
・松葉杖
・歩行器
・除圧用マットレス
・短下肢装具
・頸椎カラー
・ギプス
・ギプスカッター
・ギプススプレッダー
・スリング
・切断端用弾性包帯
 
が最低ラインのリストに挙がっています。しかし、タイプ2になったからと言っても、リハビリテーション施設を作るわけではないので、歩行器や装具は要るでしょうか。また頸椎カラーやギプス関連の資材はリハビリテーションとは別ですし、そう考えて関係ないものを削っていくと、車椅子と松葉杖しか残らないような気がします。
 
車椅子と松葉杖は、これらがなければ帰宅困難な患者に、理学療法士が使用方法を指導して貸し出すといいのだと思いますが、貸出制度の難しい所は、「貸したら返ってこない」という事です。WHOは「きちんと返却されるようにルールを決めて、不要になれば必要な人に渡るようにしなさい」と述べていますが言うは易しです。JDRとしてどうしていくのか、今後検討していくそうです。
 
タイプ2で入院機能(病棟機能)を有することになりましたが、入院と言っても転院を前提とした短期入院です。じっくりリハビリテーション、という訳にはいきません。
 
実は私はタイプ2になり患者はある程度の期間入院しているものだと思っていました。だからタイプ1よりもじっくりリハビリテーションできると思っていました。これは私の認識違いで、理学療法士としてすべきことを改めて考えなおさないといけません。
 
退院時や転院時のリハビリテーションサマリーが大切になってくるかもしれません。最低でも英語である程度書けるようになっておこうと思います。
 
また、やはり医療調整員としての役割やロジスティック班としての役割をきちんと果たせるようにならないといけないと感じました。「タイプ2になったんだからリハビリテーション!」ではなく、そもそもリハビリテーションはすでに自分の専門として仕事しているんですから、それ以外の所のスキルアップが必要だと痛感しました。
 
そういう意味で、今後、いろいろ勉強していく動機付けができました。また紹介できたらと思います。

2018年6月29日金曜日

【WCPT News】2018/6/28 各国のデータから世界の理学療法を読み解く

WCPTは重要な仕事の一つとして、世界の理学療法の現状を把握するために情報収集をしています。長年、WCPTメンバー組織から、各国の理学療法に関する規定や臨床状況、教育方法、就業者数などのデータを頂き、公開しています。

WCPTのCEO、Jonathon Kruger氏は「メンバー組織からの情報をまとめることで、今後も豊富で価値のある情報を提供し続けます。それにより、他国の状況などを参考にしながら、政策方針を決定したり、サービス提供の方法を考えたり、人材育成・教育について改革したりできるでしょう。」と述べています。

最新のデータは2017年中頃に102のメンバー組織から集められた情報に基づいています。各国の詳細や図表などを見てみると、理学療法士がどの国に多いかや地域差など、世界の理学療法の状況が一目で分かります。

注目すべき特徴をいくつか挙げると、以下のようなものがあります;

  • 理学療法士の71%が、国もしくは専門職団体による免許を受けている。
  • WCPTメンバー組織の78%が専門分化した関連組織を持っている。
  • 83の国で、国内学術集会等の会を開催している。

各国の状況を表したマップが2013年からの変化を見るのに役立ちます。ここをクリックするとそのマップが見られます。ダウンロードして印刷もできるのでご活用ください。

これに関してメンバー組織からよいコメントが寄せられています。

日本理学療法士協会
「このような分かりやすい形でデータを見ることができるので、アジア太平洋諸国での我々日本の立ち位置・特徴などが理解しやすいです。非常に便利だと感じます。」

コンゴ理学療法連合
「WCPT執行部に感謝申し上げます。我々の現状を把握することや、周辺諸国との相似点などを知ることができます。このデータを見て、我々はまだまだ自国の理学療法を発展させるために努力をしなければいけないと分かりました。」

2018年6月25日月曜日

【WCPT News】2018/5/29 WCPTーICRC 長期連携協定結ぶ

WCPTは国際赤十字委員会(ICRC)と、長期的協力関係を結ぶための覚書に署名しました。

WCPTのEmma Stokes会長は次のように述べています。

「これまで長きに渡りWCPTはICRCと協力して活動をしてきましたが、正式にこのような覚書を締結するのは初めてです。これにより正式な協力関係を築くことができましたので、理学療法が不足している国や地域の、より良い新たな未来の兆しが見えてきました。」

WCPTとICRCはこれまでも世界の理学療法や身体的リハビリテーションの発展に尽力してきましたが、 今後も共に卒前・卒後教育や各国の理学療法協会のサポートを続けていきます。

2011年からWCPTとICRCは様々な課題に共に取り組んできました。WCPTメンバー機関のない国での新たな理学療法団体の設立をサポートしたり、研修施設のカリキュラムや質の発展に働きかけたり、理学療法アシスタントを育成してサービス提供ができるようにしたりしてきたのはその例です。

2014年には「Health Care in Danger project」の活動でWCPTとICRCは共に仕事をしました。

WCPT-ICRC間の覚書により、WCPTの基本方針は広く知られるようになり、理学療法の質も改善するでしょう。また理学療法士やその関係団体の役割・責任は明確化され、ICRCとの協力関係は発展・促進されていくでしょう。

国際的な点では、この協力関係により、WCPTが情報をまだあまり持っていない国の理学療法が発展していくでしょうし、国・地域レベルでは質の高い理学療法サービスを促進するよう国内理学療法団体に働きかけることになるでしょう。また、研修や情報収集、人材関係などの特定の分野での協力も増えていくでしょう。

2018年6月23日土曜日

【WCPT News】2018/6/20 理学療法士によるグアテマラ支援

エクアドル理学療法協会の会員が、グアテマラで起きた火山噴火に対する人道的支援チームに加わり、理学療法の提供をしています。火山噴火により100人以上の死者と300人以上の負傷者が出ました。

エクアドル理学療法協会(SEF)の会長Daniel Wappenstein氏によると、2016年にコロンビアで起きた地震と土砂崩れでの支援経験が、今回の迅速な対応に繋がったとのことです。

Daniel会長は「 我々は地元スタッフと協力して火山灰により引き起こされる呼吸器障害に対して治療を行うことになっています。主に乳児や子供、高齢者が対象です。自然災害により多くの被害を残した国の人々へ、我々のチームは思いやりや包容力、責任感を持ってサポートに当たっています。」

理学療法士のDaniel Camino氏は人助けの気持ちが、この援助チームを結成させる大きな理由であり、理学療法が国内外で発展していくための要である、と述べています。「理学療法士は援助・支援を行うプロフェッショナルです。今後も立ちはだかる困難に対応し続けなければいけません」と語っています。

チームはエクアドルからの3人、コロンビアからの1人の理学療法士で構成されており、人道的支援モデルに基づいてSEFが組織しています。過去には22のエクアドルチームや1つのコロンビアチームを結成しています。このモデルはチリやペルーの災害時にも人道的支援に用いられました。
 
This story first appeared on REDACCIÓN MÉDICA, credit Jonathan Veletanga
Photo credit: Sociedad Ecuatoriana de Fisioterapia

2018年6月21日木曜日

【WCPT News】2018/6/15 学術大会参加費決定

WCPT最大のイベントである2019年学術大会の参加費が発表されました。オンライン登録は7月から始まります。

いくつかのWCPTメンバー機関から寄せられた意見を参考に、WCPTはできるだけ多く、世界の理学療法士が集まるこの学術大会に参加してもらうため、3つの工夫をすることになりました。


  • 一つは、中低所得国および低所得国から参加する理学療法士の参加費を減額します。
  • また、2017年大会と同程度の参加費に維持します。
  • そして、事前申込に対する早割よりもさらに割引になる「超早割」期間を設け、絶対に参加したいという会員を優遇します。
(参考:参加費はこちら→https://www.wcpt.org/wcpt2019/registration)

WCPTのCEO、Jonathon Kruger氏は「これらの特別措置により、より多くの会員が学術大会のさまざまな恩恵を受けられることを嬉しく思います。

プログラムはすでに大枠は決まっており、シンポジウムも幅広い分野で思考を刺激するようなトピックスを用意しています。その一部を紹介しますと、ビッグデータと人工知能、心肺と科学、多様性と包括性とリハビリテーション、精神保健などがあります。

来年の学会はわくわくするような活気溢れるものになるでしょう。参加費に関して今日のようなアナウンスができたことで参加を計画することが楽になれば幸いです。」と述べています。

また、2019年大会でも奨学金プログラムを実施する予定です。詳しくは2018年7月に公開されます。

2019年大会はスイスのジュネーブで5月10~13日に開催されます。


過去のWCPT学術大会の参加者からの感想

「学術大会での経験は想像をはるかに超えていました。参加させていただき光栄に思います。ぜひまた参加したいです。運営も非常によくされており、理学療法に関する問題をいろいろな国の方と話し合えたことは素晴らしい経験でした。ありがとうございました。」

「WCPT学術大会は私のキャリアの中で最も心が洗われる経験となりました。学術大会を通して得る事ができた洞察力や繋がりや知識は一生ものです。」

「計り知れない感情がそこにはありました。各国の参加者が集まったグローバルな場で、お互いを高め合い、常に仮説にチャレンジしていく姿はまさに「理学療法士である」という感じでした。」

「このイベントは私たちの目を開かせてくれます。多くの学びを提供してくれます。様々なチャンスがそこにあります。そして、そのどれもが期待を大きく上回って!」

「様々な国・文化・環境にいるPTとの出会いや繋がりを得る事ができただけでなく、世界の多様な保健制度の中でどのように対応していくか、新たな知見を得ることもできました。」

2018年6月13日水曜日

【WCPT News】2018/5/23 世界リハビリテーション同盟 スイスで発足

世界リハビリテーション同盟(GRA)が5月22日、スイスのジュネーブで発足し、WCPTのEmma Stokes会長が初代副会長に選任されました。

Emma Stokes氏は「今日、WCPTはGRAの設立メンバーとなりました。我々は設立を支える小さなチームの一つとなります。」の述べ、以下のように続けました。

「理学療法や理学療法士はリハビリテーションを提供する重要な存在です。WCPTは世界中の人々が経済的困難なしに必要な時に質の高いニーズに合ったリハビリテーションを受けてもらえるよう、世界中の国と協力していくと今日誓いました。」

「我々はこれによりWHOが発表したRehabilitation 2030 Call for Actionの実現を目指します。我々だけの力よりも大きなインパクトをもたらすことができるでしょう。」

「GRAは2017年2月にWHOのステークホルダー会議【Rehabilitation 2030: A Call for Action】を受けて発足しました。その時からWCPTは他のステークホルダー機関と協力して、世界中のリハビリテーションの発展のために、国際団体の立ち上げに尽力してきました。」

WCPTのJonathon Kruger氏は「戦略的同盟の誕生により、WCPTはメンバー機関の国際的な働きをより効果的になるようサポートできるようになるでしょう。」と述べました。
GRAの使命は、ニーズに合ったリハビリテーションを、システム強化により提供することで、質が高く負担できる価格を目指すことです。WHOと戦略的パートナーとなり活動していくことになります。

GRAは世界の保健制度や社会保障制度におけるリハビリテーションの強化を共に推進するプラットフォームとなるでしょう。多くの組織がそのような目標を掲げて、サービスの受け易さや質、マンパワーの確保、情報収集などの改善を行っています。GRAはネットワークの構築や協賛者を集め、これらの取り組みをさらに進めていきます。

世界リハビリテーション同盟(GRA)開設メンバー

会長:Thierry Regenass
副会長:Emma K. Stokes
副会長:Christoph Gutenbrunner
秘書官:Karsten Dreinhofer
会計官:Jan Monsbakken
選任理事:Stephanie Clarke, Pierre Cote, Isabelle Urseau


GRAを構成する機関

American Speech-Language-Hearing Association (ASHA)
Dementia Alliance International
Global Alliance for Musculoskeletal Health (GMusc)
Humanity & Inclusion (HI)
International Council of Nurses (ICN)
International Committee of the Red Cross (ICRC)
ICRC MoveAbility Foundation
International Society for Prosthetics and Orthotics (ISPO)
International Society of Physical and Rehabilitation Medicine (ISPRM)
International Spinal Cord Society (ISCoS)
World Confederation for Physical Therapy (WCPT)
World Federation for NeuroRehabilitation (WFNR)
World Federation for Occupational Therapy (WFOT)
World Federation of Chiropractic (WFC)

2018年5月9日水曜日

【WCPT News】2018/5/9 論文アブストラクト投稿時の秘訣

アブストラクトを提出する際のコツを、英語、フランス語、スペイン語、アラビア語で紹介します。

学術大会のプログラム委員会のメンバーが、WCPT学術大会に向けて、それぞれの考えるアブストラクト投稿時に秘訣について、下のビデオで話をしています。

ビデオで紹介されている内容が、アブストラクト投稿までの道のりのヒントとなり、あなたのアブストラクトをより良いものにしてくれるでしょう。

さらに、WCPTは、国内に研究機関やそのネットワークがない会員や、英語を母国語としない会員、アブストラクトを書くのが初めての会員に対して、指導を行う体勢を整えています。(WCPTメンタリングプログラム

Jackie Whittaker(英語)


Lara Allett(フランス語)


Edgar Hernandez(スペイン語)


Alia Alghwiri(アラビア語)



【使われていた英語表現】

・submission
 提出。投稿。論文投稿。

・tip
 コツ。秘訣。ヒント
 例) tips on~:~のコツ
 例) tips for~:~のコツ

・be new to ~
 ~に慣れていない。~をよく知らない。


【訳者あとがき】

メンタリングプログラムは非常に魅力的だと思いました。学会で発表する・しないに関わらず、メンタリングプログラムを活用してアブストラクトの書き方や英語表現などをチェックしてくれる制度のようです。
英語を添削してもらう有料のサービスは多々ありますが、このWCPTの無料のサービスは活用しない理由はないと思います。

2018年5月2日水曜日

【WCPT News】2018/5/2 WCPT学術大会2021はドバイに決定

2021年のWCPT学術大会はドバイで行われることになりました。主催はエミレイツ理学療法協会です。

WCPTのEmma Stokes会長は今日、エミレイツ(首長国)理学療法協会が、次の学術大会のホストに選ばれたことをニュースで祝福しました。

2007年にWCPTのメンバー組織となったエミレイツ理学療法協会は、ホストに立候補し現地視察を受け、学術大会を開催するのに非常によいロケーションであると判断されました。

「エミレイツ理学療法協会はアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに本拠地を構え、そこはヨーロッパやアジア、アフリカを繋げる好立地です」とEmma氏は述べています。

「ケープタウンの時のように再び、今まで学術大会を行ったことのない土地で世界中の理学療法士が集まることができます。湾岸諸国では初めての開催となり、エミレイツ理学療法協会にはお祝い申し上げるとともに、開催を心待ちにしています」

「エミレイツ理学療法協会は2021WCPT学術大会のホストに選ばれたことを誇りに思います」とAmal Alshamlan会長は述べています。

「名声のあるイベントをドバイで行うための道のりは戦略的でした。学術大会を開催し、UAEの理学療法の認識は大きく変わるだろうと思います。準備の段階でもうすでに興奮を抑えきれません。」

ドバイはUAEで最も大きく人口の多い都市です。ペルシャ湾の南東の海岸沿いに位置しています。WCPT学術大会では2000人以上の理学療法士が、この美しい水平線と最先端建築で知られるドバイに集まり、世界クラスのプログラムで最新の研究や開発と出会い、多いに意見交換されるでしょう。

WCPT学術大会は2年おきに開催されるようになりました。大盛況だったケープタウン大会は2017年に開催され、次のジュネーブ大会は2019年5月10~13日に開催予定です。

2016年にはシンガポール大会(2015年開催)がシンガポール観光賞の学会部門で最高を獲得しました。

2017年のケープタウン大会はアフリカやそのコミュニティーに大きな利益をもたらし、これによりまた賞を受けています。


【使われていた英語表現】

・emirates
 首長国
 参考) アラブ首長国連邦 the United Arab Emirates

・distinctive
 特色のある

・gulf 
  湾
 参考) the Gulf ペルシャ湾

・bid 
  (名) 努力
 参考) make a bid for ~ ~に, 対して努力する、make a bid to do ~~するよう勧誘する

・host
 主催国を務める

・prestigious 
 名声のある

・populous 
  人口の多い、人口密度の高い


【訳者あとがき】

7月から参加申込みが始まるようです。参加費が毎回なかなかの高額なので、今回もそうでしょう。FACEBOOKの書き込みを見ているとUAEに入国できない国の理学療法士もいるようで、国際学会となるとこういう問題もあるのかと知りました。

【WCPT News】2017/4/30 SUDAプロジェクトの成功を祝う

WCPTはワシントンDCのキャピトルヒルを訪れ、SUDAプロジェクトの成果報告をしました。

SUDAプロジェクトは西アフリカの紛争地域でリハビリテーションが必要な人々の生活を変えるために行われました。このプロジェクトでは、Leahy War Victims Fundと言うPatrick Leahyアメリカ上院議員が計画したUSAIDのプログラムと、アメリカ議会からの資金援助で行われました。

WCPTのEmma Stokes会長とJonathon Kruger CEOはアメリカ理学療法協会(APTA)の幹部とともに、会合でLeahy War Victims Fundの代表者へ、援助に対して感謝の意を伝えました。

SUDAプロジェクトでは、マリ、ニジェール、セネガルといった紛争が蔓延する国の理学療法を強化するため、それらの国の理学療法協会と協力してWCPTは活動しました。また教育プログラムの内容や質を向上させる活動をしたり、他の資源が乏しい国でも活用できるような能力開発型モデルを確立させました。

The Leahy War Victims Fundは紛争中の国の障害者に援助を行っており、SUDAプロジェクトでは120万ドルの援助をしました。Emma Stokes会長とJonathon Kruger CEOはこのプログラムの責任者へ感謝の意を伝えると共に、この経験を他の国でも活かすための案を提示しました。

「この会合でSUDAプロジェクトの振り返りができ、現経営陣が将来、世界の理学療法の発展に寄与するプロジェクトに再び支援してもらう可能性が広がりました。」とJonathon氏は述べています。

Emma氏は「WCPTは今回のような会合を設けてくれたAPTAのSharon Dunn会長やJustin Moore CEOおよびその仲間に感謝しています。」と言い加えました。

APTAのJustin Elliott政策副部長は「APTAは、WCPTとLeahy上院議員事務所との間を取り持ち、会合が成功したことを嬉しく思っています」と述べました。

「SUDAプロジェクトは誰から見ても大成功です。そして、それはLeahy War Victims Fundのおかげです。APTAとWCPTは今後もともにUSAIDと協力していきます。」

2018年4月28日土曜日

【WCPT News】2018/4/24 WCPT DOVESについて;ボランティアおよび専門家のデータベース

WCPTはDOVEデータベースを刷新し、理学療法コミュニティーの国際的な繋がりを強め、専門的技術の検索や専門職としての発展を国際的に促進しようとしています。

新しくなったWCPTのボランティアおよびエキスパートのデータベース=DOVEデータベースには、WCPTメンバー機関や関係機関を支援することで自身のキャリアを磨きたい人材が登録されており、検索することが可能です。

DOVEデータベースに登録された専門家と、国際保健に高い関心を持つ臨床家が繋がるチャンスがあります。現在、300人以上の理学療法士が登録されており、臨床・教育・研究・政策に関する助言をする下地ができています。

「新しくなったDOVEデータベースは世界の理学療法業界の大きな発展を象徴しています。WCPTが目指す、全会員が世界中のどこにいても繋がりを感じられるコミュニティーを作るという方針を実現させる一つの取り組みです。」とWCPTのEmma Stokes会長はコメントしました。

「データベースを活用して若手からベテラン、臨床家や研究者が世界中の専門家と繋がることができます。すでにDOVEデータベースにより新たな取り組みが開始された例もあり、我々はできるだけ多くの会員がDOVEに登録して頂けるよう促していきたいと思っています。」

DOVEデータベースでは登録者は3つのレベルから自身で選択するようになっています。専門家・経験者・興味あり、の3つです。登録した分野に関してどこまで自分が関わることができるかを選択できます。登録は無料で、登録内容を一般公開または限定公開に設定できす。

2018年4月15日日曜日

【WCPT News】2018/4/13 無効で有害は腰痛治療にストップ

腰痛に関する大規模研究が行われ、有害な治療法を止めさせる必要があると結論付けました。またその症状から起因する能力低下について世界的に広く認識されているとこが分かりました。

Lancetに掲載された論文では、医師に強力な薬剤・オピオイドの処方、注射、不要な手術などの有害で効果に乏しい治療は中止するように求めています。

理学療法士はこの結果に賛同し、エビデンスに基づいた治療法の研究が各国で進めてきました。患者には、効果に乏しい治療法に高額な費用を払うより、活動的なライフスタイルを構築するよう助言するようにしています。

「著者は高所得国のみではなく、中・低所得国でのデータも比較検討しています」と Emma Stokes会長は述べています。

「注目すべきギャップが研究結果と実践の間にありました。これには複雑な背景があり、多角的視点からの解決策を考える必要があります。研究成果を実践に反映させる作業は単純ではないと認識しなければいけません。全世界で努力していくことで時間はかかるが前に進むことができるでしょう。」

腰痛は年齢を問わず発症し、多くの場合は原因不明です。有症率は増えてきており、腰痛を原因とする能力低下は1990年の1.5倍です。最新の研究では病態の複雑さが明らかになってきましたが、一方で腰痛の予防に関する研究成果が乏しいことも問題としています。

「やるべきことはたくさんあります」と論文の共著者Nadine Foster教授は述べています。Foster教授は“腰痛の予防と治療:エビデンス・挑戦・正しい道”を執筆しました。

「患者が症状を自己管理できることと、医療従事者がエビデンスに基づいた治療を提供することに拘ることです。理学療法士やその職能団体がエビデンスに基づいた訓練や生涯学習を取り入れることが必要です。」

身体的に活動的であることが重要だというのは国際徒手理学療法連盟(IFOMPT)会長のKen Olson医師も繰り返し述べています。

Olson会長によると「早期の画像診断やオピオイドの過剰投与は腰痛の問題を悪化させます。しかし、運動習慣や仕事復帰を促していくことや、特別な体操、脊柱のマニピュレーションはエビデンスによる裏付けもあり、効果的です。

論文は世界保健機関(WHO)への要望で締めくくられていました。腰痛による苦しみにもっと目を向けて、予防策などについて国際リーダーとして取り組んでもらいたいとしています。

2018年2月28日水曜日

【EMT News】2018/2/26 ノルウェーがEMT認証を受けたチームとしてリストに加わりました

(2018年2月4日、オルソ) ― 今月、世界保健機関(WHO)の緊急医療チーム(EMT)事務局はノルウェー保健総局のチームをEMT認証しました。これで自立して活動できる緊急医療チームの数が増え、非常時には即座に派遣されます。

ノルウェーのEMTはタイプ1固定型とタイプ1移動型に認定されました。固定型診療所で1日100人以上の外来患者の治療を行ったり、移動型診療による遠隔地での外来診療では1日50人以上の患者に対応できます。タイプ1移動型に認定されたのはこれで3チーム目です。
 
「私たちは認定を受けられたことを非常に誇りに思います。長年のチーム強化の努力が実を結びました。エボラ流行の時の教訓から、私たちは質の高いタイムリーな診療を非常時に提供できるよう準備しておくことが重要だと考えています。」とノルウェー保健総局の局長で主任医官Bjørn Guldvog医師は述べています。
 
保健総局は保健分野での国際協力に積極的です。健康や生活の質を改善する最もよい方法は他国と協力して問題に取り組むことだと認識しています。感染症予防や災害への備えや対応などの課題も同様です。ノルウェーのチームの最近の活動はシエラレオネのエボラ大流行での緊急援助です。
「ノルウェーはスカンジナビア諸国の中では初の認定です。また氷点下環境での活動にも対応できるチームとなっています。認定を受けることができたことはその地域はもちろん世界的にも、災害への備えという側面からも大きな意味を持つでしょう。我々はノルウェーのこの努力と功績を讃えます。」とWHOのEMT事務局長Ian Norton医師は評価の時に訪れたノルウェーで語りました。
 
WHOのEMT事務局で保管している名簿には認証を受けた各国のEMTが記録されており、発災時には素早く行動し、調整が取れるようになっています。被災国は名簿に載っている自立した熟練のチームからの様々な形で援助を受けることができます。

WHO EMT Initiative について
 
2013年、WHOは世界のEMT関係者を招集して認証システムの構築を始めました。最低限備えるべき項目や基本方針を定めました。フィリピンが大きな被害を受けたHaiyan台風や、南アフリカのエボラ、ネパールやエクアドルの地震、バヌアツやフィジーのサイクロンで活用され、多くの命を救い、障害を減らすことができました。訓練を受け自立したチームを抱えるEMTイニシアチブは今や、政府や国・地域にとって、非常事態が起きても頼れる存在となっています。

2018年1月10日水曜日

【WCPT News 】2018/1/8 ノルウェーでダイレクトアクセス承認

 ノルウェーでは理学療法士にダイレクトアクセスができるようになりました。
 
 ノルウェーでは2001年から制限付きでダイレクトアクセスとセルフリファーラルが認められていましたが、社会保障を利用し返金を求める場合は医師に相談しなければなりませんでした。
 
 2018年1月1日からは、患者が直接、理学療法士を訪れても社会保障の対象になります。(自治体と提携した理学療法士に限り)
 
 「ノルウェー理学療法士にとって、これは歴史的な事です」とノルウェー理学療法士協会のFred Hatlebrekke会長は言っています。
 
 「社会福祉保健省が2014年に公的保健サービスに関する白書を作成した際に、私たちはダイレクトアクセスに関して意見を交わす機会を得ました。社会福祉保健省大臣とも会議でダイレクトアクセスに関して話し合い、ダイレクトアクセスは患者に優しい改革になることを説明しました。」
 
 ダイレクトアクセスの臨床的およびコスト的効果を示す研究が蓄積されてきています。現在、オーストラリア、ブラジル、南アフリカ、スウェーデン、イギリスなどの40ヵ国以上でダイレクトアクセスが認められています。
 
 「ダイレクトアクセスとセルフリファーラルは理学療法士の自律性を示す世界的な動きの1つです。」とWCPTのEmma Stokes会長は述べています。
 
 「ノルウェーで理学療法へのダイレクトアクセスが認められたことで、患者や理学療法士やその他医療関係者に多くの恩恵があるでしょう。」
 
 2006年に徒手療法士に対してダイレクトアクセスが認められて社会保障の対象になった一方で、理学療法士への完全なダイレクトアクセス認可は長年の大きな目標でした。
 
 政府はノルウェー議会(立法府=ストーティング)で話し合いを続けました。2015年に白書が完成し、2017年6月にダイレクトアクセスの議案が承認されました。
 
 WCPTは各国の会員組織にダイレクトアクセスおよびセルフリファーラルを推し進めるよう推奨しています。2011年6月のWCPT第17回定例会議で方針を提示しているので参考にしてください。